どうも、ふじけんです。
今回はオーバートレーニング症候群についてまとめてみました。
基本的にはトレーニング負荷と回復のバランスが崩れた時に起こりうるものですが、身体症状に限らず精神症状を伴う特徴があります。
特にトップアスリートほど精神的・身体的ストレスいずれにも晒されやすいので、適切な対応が必要です。
オーバートレーニング症候群
オーバートレーニング症候群とは、過剰なトレーニングが長期間続き、パフォーマンスや運動機能が低下し、日常生活でも疲労が容易に回復しなくなった状態を指します。
長期トレーニングの効果として、練習→疲労→超回復を繰り返し、身体機能や競技能力が向上していきます。
オーバートレーニング症候群は練習量と超回復のバランスが崩れ疲労が蓄積し慢性疲労化した状態と言えます。
症状
オーバートレーニング症候群の症状は身体症状と精神症状に分けられます。
- 身体症状:全身倦怠感、体重減少、息切れ、頭痛、微熱、食欲低下
- 精神症状:不眠・焦燥感、意欲の減退、集中力の低下、抑うつ感
オーバートレーニング症候群の精神症状はほぼ全てのうつ病の診断基準に当てはまります。
診断基準ってあるの?
現在のところ明確な診断基準はありません。
臨床経過や症状などから統合的に診断します。
診断には、他の内科疾患(スポーツ貧血、運動誘発性喘息、うつ、慢性脱水症、電解質異常、甲状腺機能低下症など)を否定する必要があります。
ポイント
評価の1つとして、日々の起床時の脈拍で疲労の蓄積度をチェックする方法が推奨されています。
うつ病との合併
オーバートレーニング症候群とうつ病の合併は多いといわれています。
病態は同一と考えられており、両者の違いは『精神的ストレス』と『身体的ストレス』のどちらが主な原因かになります。
トップアスリートは精神的・身体的ストレスいずれにもさらされやすく、両者を完全い分けることは難しいとされています。
診断名にこだわらず、精神的・身体的ストレスを包括的にマネジメントしながら治療する姿勢が大切になります。
身体的ストレスが大きいほどオーバートレーニング症候群が疑われます。
治療
治療の第一選択は完全休養になります。
オーバートレーニング症候群であっても、うつ病に準じた薬物療法が多くの場合有効であるといわれています。
そして競技復帰を目指す際は、段階的にトレーニング量を戻すことが大切であり、バランスのとれた練習メニューの再立案が必要です。
どこまでの休養が必要か
完全休養といっても、その選手の状態やチーム状況により判断はケースバイケースと言えます。
選手によっては、練習に参加しない代わりにマネージャー的なチームをサポートする立場に回ることがプラスになることもあったりなかったり…
うつ病に類似していることを考えると、診断名で捉えるのではなく、1人の人としてサポートしてあげることが大切なのかと私は思います。
ここは人間力が試されますね。
まとめ
オーバートレーニング症候群はうつ病と合併していることが多く、診断や治療選択がかなり難しく感じられます。
現実問題として、オーバートレーニング症候群の可能性がある選手は、競技復帰を目指す前に競技から離れてしまうことがほとんどなんじゃないかと思っています。
こういった兆候がある選手にはスポーツ内科やスポーツ精神科にかかることをオススメします。
もちろんスポーツ内科疾患や一般内科疾患の可能性も十分にあるため、どちらにも診てもらえることが理想かもしれません。
競技復帰にはアスリート本人、指導者、トレーナー、保護者、スポーツドクターなどの連携がとても重要なのは間違いありせんね。