どうも、ふじけんです。
今回は心肺蘇生(一次救命処置)についてまとめてみました。
スポーツ現場に限らず、必要な知識かと思いますので参考にしていただければ幸いです。
一次救命処置
JRC(日本蘇生協議会)蘇生ガイドライン2015では、「傷病者に反応が無く、呼吸がないか異常な呼吸(死戦期呼吸)が認められる場合、あるいはその判断に自身が持てない場合は心停止、すなわち心肺蘇生の適応と判断し、ただちに胸骨圧迫を開始する」ことを推奨されています。
呼吸の確認方法は一般市民と医療従事者や救急隊員によって異なります。
基本は緊急を要するため、呼吸の確認は10秒以上かけずに行うことが推奨されています。
一般市民の救助者が呼吸の有無を確認する場合、気道確保は必要では無く、胸と腹部の動きを観察します。
動きがなければ「呼吸なし」つまり心停止と判断し救命処置に移ります。
心停止直後の傷病者でしばしば認められる、しゃくり上げるような不規則な呼吸は死戦期呼吸と呼ばれ、胸と腹部の動きがあっても「呼吸なし」と判断します。
心停止と判断した場合、周囲の人に救急通報とAEDの手配を依頼します。
救助者は依頼したのち、胸骨圧迫を開始します。
胸骨圧迫は胸骨の下半分を1分間に100〜120回程度の速さで、胸が約5㎝程度沈むよう圧迫し、6㎝を超えないようにしましょう。
傷病者が小児の場合は、胸の厚さの1/3の深さを圧迫することが推奨されています。
AEDが到着したら、速やかに装着し、AEDによる心電図解析が開始されたら、傷病者に触れないようにします。
ショックが必要な場合は、誰も傷病者に触れていないことを確認してからショックボタンを押します。
電気ショック後は胸骨圧迫をすぐに再開しましょう。
傷病者が確実に心停止でないと判断できる反応(呼びかけへの応答、普段通りの呼吸や目的のある仕草)が出現するまで胸骨圧迫を継続しましょう。
あるいは救急隊に引き継ぐまで継続します。
訓練を受けていても、気道確保や人工呼吸の技術にがない場合は、胸骨圧迫のみ行いましょう。
AEDとは
AED(Automated external defibrillator:自動体外式除細動器)とは、心臓が致死的な不整脈である心室細動になった際に、電気ショックを心臓に与えて正常に戻す医療機器であり、一般の人でも使用できます。
AEDを使用することで救うことのできる命が沢山あります。
1人でも多くの人が正しい知識を得て、使用できる環境を構築することが重要だといえます。
電気ショックの必要性については胸にパッドをつけることで自動解析して評価してくれます。
そのため誤った場面で電気ショックを行ってしまうことはありませんので、安心して使用してください。
ポイント
未熟学児に用いる場合は、小児用モードあるいは小児用パッドを用います。小児用パッドがない場合は、通常のパッドを用います。
使用方法
使用方法は以下の通りです。
- 電源を入れます
- パッドを胸部に貼ります
- 傷病者の体に誰も触っていないことを確認してください
- 確認できたら、電気ショックのボタンを押します
非常に簡単ですし、AEDによっては、音声で指示してくれるものもあるので安心して使用できると思います。
(私は音声指示がないものは見たことありません。)
気道確保
気道確保には頭部後屈あご先挙上法や下顎挙上法があります。
前述した通り、原則として気道確保は自信がない場合は行わなくても良いとなっています。
下顎挙上法は両手の指先で下顎骨を掴んで下顎を前方に引き出し起動を確保します。
頭部後屈あご先挙上法は、頭部を後屈しあごの先を挙上して起動を確保する方法です。
頚椎損傷が疑われる場合は、頚椎に負担の少ない下顎挙上法を用いることが推奨されています。
人工呼吸
人工呼吸は気道確保と同様に、技術に自信がない場合は無理に行わなくても良いとされています。
しかし、人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うのが望ましい状況があります。以下の通りです。
- 窒息
- 溺水
- 目撃のない心停止
- 遷延する心停止状態
- 小児の心停止
人工呼吸の送気(呼気の吹き込み)は約1秒かけて行い、一回の人工呼吸で傷病者の胸の上がりを確認できる程度を送気量の目安とされています。
この時、胸骨圧迫と人工呼吸を30:2の割合で実施することが推奨されています。
(小児の場合は15:2)
まとめ
心肺蘇生(一次救命処置)についてまとめてみました。
医療従事者はもちろんなのですが、一般市民もこの知識を理解しておくだけで救える命が増えると思います。
一般市民の方にもこういった知識が定着できることを願っています。
また、年に数回は復習したり、医療従事者の方は特に一次救命の講習会等に積極的に参加しましょう。
こういったことは急に起こります。
準備が大切です。
1人でも多くの命が救われることを願っています。