どうも、ふじけんです。
腰痛のキッカケに前屈動作で荷物を持った時が多いのではないでしょうか?
今回は腰痛の人が悩みがちな前屈動作における大切な「腰椎骨盤リズム」という運動メカニズムについて解説していきたいと思います。
腰痛をお持ちの方もそうでない方も、このメカニズムを理解するがけで予防・改善につながると思います。
ではいってみましょう。
腰椎骨盤リズムとは
腰部脊柱は股関節とともに、身体全体の屈曲・伸展の回転軸となります。
この点について体幹の前屈動作や後屈動作で考えてみましょう。
そのような矢状面での運動の際の腰椎と股関節との運動学的関係を「腰椎骨盤リズム」とよばれています。
運動によって伴う腰部痛がある人においては、腰椎骨盤リズムに注意を払うことで、疼痛をコントロールすることもできます。
また、この領域の筋と関節の異常な相互作用を見つける手がかりとなります。
それはつまり腰椎骨盤リズムを修正することが腰痛の治療にもつながるといえます。
前屈動作時の腰椎骨盤リズム
膝を伸ばしたまま手が地面に着くように前屈するという動作で考えていきましょう。
日常生活動作としては、物を拾う時や屈む時、靴紐を結ぶ時などの動作に近い動きになりますね。
健常成人でのこの運動は、腰椎屈曲約40°とほぼ同時に股関節(大腿骨上の骨盤)での約70°屈曲を行う組み合わせであるという測定結果が出ています。
他の運動戦略が同様にありえますが、ここに示したパターンから著しく逸脱したものがあれば、解析中に影響する病理学または機能障害と、股関節に影響するそれらの要因を鑑別するのに役立つと思われてます。
ここからは3つのパターンに分けた図を見て確認していきましょう。
BとCについて、股関節または腰部の可動域の著しい制限を伴う異常な腰椎骨盤帯リズムを示しています。
BとCのいずれにおいても、体幹屈曲の全体量(前屈の可動域)が低下しているといえます。
体幹をこれ以上に屈曲させる場合、股関節または腰部が互いに、制限された運動を代償し合う必要があります。
しかしこの代償部位に余分な応力を生じることになります。
Bに示すように、たとえばハムストリングスの伸張性制限により股関節の屈曲が制限されている場合だと、
体幹をより前屈させるには腰椎及び下位胸椎の屈曲を大きくする必要があります。=代償動作
腰椎及び胸椎の屈曲が過剰になると、(胸腰筋膜を含む)この領域の脊柱後方の結合組織が過伸張します。
それが持続したり反復されることで、それらの組織は弱くなり、それによりこれらの組織がさらなる屈曲に対して抵抗する能力が低下します。
腰椎の屈曲が増加するような姿勢を慢性的にとると、椎間板に対する応力が大きくなり、理論的には椎間板が変性する可能性が高まります。
重症化するケースでは椎間板ヘルニアなどの要因となるでしょう。
Cでは、腰椎の屈曲が制限された場合のシナリオを描いています。
床に近づくには股関節の屈曲量がより大きくなる必要があり、股関節伸筋に対する要求が高まります。
その結果、股関節の屈曲による圧迫と股関節伸筋群のパワーによる圧迫力で、股関節にかかる圧迫力が増大します。
健常な股関節を持っておれば、この圧迫力の比較的軽微な増大には、良好に耐えることができます。
しかし、股関節に障害の既往がある場合(変形性関節症や股関節不安定など)、圧迫力が増大すると、痛みを伴い、変形性プロセスが加速化せれると考えられます。
問題がない股関節であったとしても、長年にかけて動作を反復・持続することで股関節の変形や関節唇を傷めてしまう恐れがあります。
腰痛の原因と改善
上記でも述べたように、腰痛に関連しやすい運動パターンはBになります。
Bの運動パターンを繰り返すことにより、腰椎は徐々に屈曲方向に柔軟となり、腰椎椎間板に対して圧迫力が増強することになります。
Bの運動パターンは、相対的にみて腰椎が股関節に対して柔軟であることを示してくれます。
つまり原因は腰椎が柔軟すぎるか、股関節が硬すぎるか、そして相対的に股関節に対して腰椎が柔軟ということになります。
改善方法は、腰椎を股関節以上に硬くするか、股関節を腰椎以上に柔らかくするかの二択になります。
まず腰椎以上に股関節を硬くする場合、前屈動作においては腰椎が屈曲しないように、股関節を先行させて前屈することが大切になります。
腰椎が屈曲しないようにインナーマッスルを使用(呼吸などを利用)して、腰椎をある程度固定させ股関節を屈曲させます。
股関節が硬すぎるかたは、この方法をとると前屈に著しい制限を来たすと思います。
相対的に腰椎が柔軟であるがために、自然と前屈した時は腰椎から屈曲しやすいことが予測されます。
それを股関節(骨盤)から屈曲することで、腰椎以上に股関節の運動を促通させることにつながり、腰椎の屈曲ストレスが軽減することにつながります。
股関節を腰椎以上に柔らかくする場合はストレッチになります。
股関節の特に伸筋群(ハムストリングスや大臀筋)のストレッチです。
上記で腰椎を固定し前屈したい際に前屈に著しい制限をきたした人はストレッチが必要になります。
もし制限がなかった人は腰椎を固定する運動パターンの修正だけで改善できます。
ただし重要なのは腰椎の屈曲を先行させないことなので、股関節から前屈することになります。
まとめ
今回は腰痛の天敵といえる前屈動作において「腰椎骨盤リズム」の解説をまとめてみました。
運動メカニズムを理解し、それを日常生活動作に置き換えることで腰痛の改善に繋がると思います。
自分の身体を向き合い動きを修正してみてください。