筋トレ行かず後悔したことはあるが、
筋トレ行って後悔したことはない。
どうも、ふじけんです。
肩甲上腕リズムって聞いたことありますか?
知っている方も多いんじゃないでしょうか?
今回は運動系の専門家が肩甲上腕リズムが何なのか、またそれとトレーニングの関連性についてまとめてみました。
この理解があるだけで、怪我のリスクを軽減したり、トレーニングの質が向上するかもしれません。
目次
肩関節
まずみなさんがよく知る肩を肩関節と言いますが、肩関節は別名「肩関節複合体」と言われます。
肩関節は上腕骨、肩甲骨、鎖骨の3つの骨と、それに付随する軟部組織と構成されます。
一般的によく言われる肩関節は肩甲上腕関節のことを指します。
しかし前述した通り、複数の骨から構成されるため、関節も複数あります。
そして肩関節複合体は、「解剖学的関節」と「機能学的関節」に分けられます。
解剖学的関節
- 肩甲上腕関節
- 肩鎖関節
- 胸鎖関節
機能学的関節
- 肩甲胸郭関節
- 第2肩関節
- CCメカニズム
今回は、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の動きがメインになります。
その他はまた今後少しずつ解説していきたいと思います。
肩甲上腕リズムとは?
健常な方では肩甲上腕関節の外転と肩甲胸郭関節の上方回旋とのあいだには自然な運動学的リズムあるいはタイミングが存在すると言われています。
この運動学的関係を説明する上でInmanは、肩甲上腕リズムという言葉を広めたそうです。
肩関節屈曲0〜60°と外転0°〜30°のあいだ(この状態をセッティングフェーズと名付けられました。)は、肩甲骨の運動が非常に多様であると言われています。
要は肩を動かす時に肩甲骨も一緒に多様に動くということです。
セッティングフェーズ以後、肩甲骨と上腕骨は一定の割合で動くとされています。
肩甲上腕リズムとはこのことを指します。
一定の割合
セッティングフェーズ以後の肩甲骨と上腕骨の一定の割合とは。
まず肩甲骨と上腕骨の動きなので、関節で考えると
肩甲骨に対する上腕骨の動きの肩甲上腕関節と、
胸郭に対する肩甲骨の動きの肩甲胸郭関節が主に関与することが考えられます。
その割合なんですが、
肩甲上腕関節2°の動きに対して肩甲胸郭関節は1°動きます。
つまり2:1の割合で動くことになります。
その結果、肩関節を完全に屈曲すると、
肩甲上腕関節120°に対して肩甲胸郭関節は60°上方回旋することになります。
最近の研究では、この動きの実際のタイミングの変動性についても報告されています。
肩甲骨の上方回旋不足は怪我の要因になり得る?
前述で述べたとおり、肩甲上腕リズムは肩甲上腕関節の運動に対し、肩甲胸郭関節が2:1で運動することを言います。
つまり、肩甲胸郭関節の運動としては肩甲骨が約60°上方回旋する必要があります。
この上方回旋とは地面との垂直線に対して、肩甲骨の内側縁の角度になりますが、
これが不足している人が非常に多いと私は感じています。
また、不足していることで肩関節の怪我に繋がる危険性が非常に高いと考えられます。
考えてみましょう、肩甲骨の上方回旋が不足するとどうなるでしょう?
肩関節が180°正常可動域まで動かない、あるいは不足することにより、肩甲骨と上腕骨のインピンジメントが起こり得るでしょう。
屋根(肩峰)と上腕骨頭の間で棘上筋などが挟まれ、腱板損傷や肩関節周囲炎の因子となりえます。
セルフチェックの方法
まず、自分の身体をチェックしてみましょう。
肩関節の可動域は十分にありますか?
これは鏡を見れば簡単に確認できると思います。
意外と確認してみると可動域が足りていない方も少なくないと思います。
次に肩関節の動きに対して、肩甲骨がしっかり動いている(上方回旋している)か確認してみましょう。
確認方法は結滞動作と言われたりしますが、片方の手を後ろに回して肩甲骨の下角を触ってみましょう。
肩甲骨の下角を反対側の手でモニター(確認)しながら、肩を可動域いっぱいまで挙げてみましょう。
肩甲骨が肩甲上腕リズムの比率で動いているか、動き出しのタイミングなども確認してみましょう。
可動域に関しては、横向きで鏡の前に立ち、肩関節最大挙上で肩甲骨の下角がどこまで動いているか確認します。
肩甲骨の下角が脇の中心から地面に下ろした垂線を超えていれば合格です。
超えてない方は肩甲骨の上方回旋が不足している可能性が示唆されます。
肩関節の可動域が十分にあるが、肩甲骨の上方回旋が不足している人は要注意!!インピンジメントが起こっている可能性が高いです!!
トレーニング時の注意点?
肩甲上腕リズムに関してはある程度理解できましたか?
とにかく肩甲骨の可動性が低下している人が多いです。
ではこの知識をトレーニングに活かせないか考えてみましょう。
まず怪我をしないことを考えるとどうでしょうか。
例えばよく私が危険だと思う種目のひとつ、ショルダープレスについて考えてみましょう。
ショルダープレスは肩関節の前部線維を鍛える種目です。
そして肩関節を挙上する動作になりますので、当然肩甲上腕リズムが機能します。
肩甲骨の上方回旋が不足していたり、なで肩の方は怪我のリスクが高くなることが考えられます。
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そのほかにも全員に一致することとして、トレーニングフォームが強く影響します。
トレーニングシーンをイメージしてみてください。
皆さんインクラインベンチに腰掛け、背中を背もたれに預けて行っているシーンが見えましたか?
←こんなシーン?
なんと恐ろしい光景でしょう。
肩甲骨はどこにありますか?
肩甲骨は大きな身体としっかりとしたインクラインベンチの背もたれに挟まれているではないですか。
大変です。ただでさえ動きにくい肩甲骨が、立派な身体の下敷きになることで、さらに動きにくくなることが考えられます。
あの王道種目が、インピンジメント製造機と化すのです。
対策
ではどうしたらいいでしょうか?一緒に考えてみましょう。
中には肩甲骨を下制させ、胸を張って行っている人も多いのではないでしょうか?
これがよくない(怪我をしないことにおいて)のは皆さんもうお分かりですね?
もうほとんど答えはでていますが、下制がダメならその逆の挙上をしてあげればいいんです。
挙上と上方回旋位のポジションでスタートすることで、怪我のリスクは軽減できます。
しかし、肩甲骨が動きにくい環境には変わりなので、あくまでリスクの軽減にしかなりません。
過度なトレーニングはいつか怪我につながると考えられます。
なのでショルダープレスは回数を制限するなど工夫が必要かもしれません。
まとめ
肩関節は複合体であり、様々な組織が関与します。
その複雑な構造体の動きのひとつが肩甲上腕リズムであり、一概にこれだけで肩を理解できるわけではありません。
まずは自分自身の身体を知る意味でも、肩甲骨の位置を確認してみましょう。
肩に痛みを抱えている人などは何かの糸口になると幸いです。