どうも、ふじけんです。
スクワットによってよく悩まされるのが膝の痛みやトラブルではないかと思っています。
今回はスクワット肢位によって膝関節にかかるストレスについて考えてみたいと思います。
特に膝関節の前面にかかるストレスについてです。
私の考えとしては、関節への負荷を最小限にした上でいかに筋肉を刺激するかが、怪我予防かつ効果的なトレーニングと考えています。
より効果的なトレーニングを実現するために肢位による関節負荷について考えてみましょう。
膝関節の構造について
膝関節は、内側と外側の脛骨大腿関節と膝蓋大腿関節からなります。
膝関節(脛骨大腿関節)の運動は、矢状面における屈曲・伸展運動(膝の曲げ伸ばし)と水平面における内旋・外旋運動(捻れ)の2つがあります。
主な動きは屈曲・伸展運動になります。
今回はその屈曲・伸展運動における膝蓋大腿関節のメカニカルストレスに関して考えていきます。
膝蓋大腿関節について
膝蓋大腿関節は、膝蓋骨関節面と大腿骨顆間溝とのあいだの関節になります。
この関節の安定化機構には大腿四頭筋による力が大きく関与します。
これは容易に体験できます。
膝関節を最大限伸ばした状態で座ってください(長座姿勢)。
その状態で大腿四頭筋を脱力させると膝蓋骨(膝のお皿)はよく動かせると思います。
その状態でさらに膝を伸ばすようにして大腿四頭筋に力を入れると膝蓋骨は動かしにくくなると思います。
また膝関節を屈曲すると伸展している時と比べて膝蓋骨は動かしにくくなるでしょう。
これは大腿四頭筋の構造が大きく関与していることを示します。
つまり膝関節が屈曲し、大腿四頭筋が働くと膝蓋骨は安定するということになります。
これは逆に言えば、膝蓋骨に対して大きな圧迫力が加わることを意味します。
これがメカニカルストレスにつながるのです。
前述したとおり、膝蓋大腿関節は大きな圧迫力に晒されています。
平地歩行では体重の1.3倍、下肢の伸展挙上では体重の2.6倍、階段昇降で3.3倍、深屈曲での運動で7.8倍といわれています。
これらの圧迫力は大腿四頭筋からの能動的な力から主に発しています。
それと同様に、筋の活動時に膝関節屈曲角度の程度に強く影響されます。
ここでスクワットの動きとの関係性を考えてきましょう。
スクワット肢位と膝蓋大腿関節内の圧迫力との関係
上記図を見ていただけるとイメージしやすいかと思います。
膝関節伸展時の力は大腿四頭筋腱と膝蓋腱を介して近位と遠位に伝達されます。
結果的に生じる合力、あるいは複合作用は、関節圧迫力として大腿骨顆間溝へ向かいます。
より深いスクワットをすることにより、膝関節伸展機構全体に要求される力、つまり膝蓋大腿関節に加わる力は増大することになります。
上記のようなスクワット肢位の違いによって筋肉の活動比率にも影響してきます。
右のスクワットでは膝関節の大腿四頭筋腱と膝蓋腱のベクトルのなす角が大きくなっています。
さらに大腿四頭筋の活動比率も向上することにより、これにより膝蓋大腿関節にかかる関節圧力は増大します。
これを繰り返すことにより、膝蓋大腿関節にメカニカルなストレスが加わることで痛みを誘発してしまう恐れがあります。
改善するにはスクワットフォームを見直すことが大切になります。
より大腿四頭筋だけに負荷をかけず、効率的なスクワットについては下記を参考にしてください↓↓
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まとめ
スクワットにおける膝関節へのメカニカルストレスについて考えてみました。
なぜ膝関節前面にストレスがかかるか参考にしてみください。
解決方法はフォームの改善が第一選択でしょう。
怪我のないようにトレーニングしましょう。