筋トレ×解剖・運動学

筋トレ技術向上|広背筋の機能解剖を解説!〜背中の広がり〜

どうも、ふじけんです。

逆三角形って男の憧れですよね。

広い肩幅、細いウエストから作り出される逆三角形。

その両辺を担うのが広背筋です。

背中の広がりなんても言われますよね。

そんな背中の大切な筋肉の1つである広背筋について、機能解剖学的視点から解説していきます。

また広背筋の鍛えすぎによる不良姿勢や、それに対するケア方法なども解説していきます。

それではいってみましょう!

目指せ脳筋

 

 

広背筋ってどんな筋肉?

広背筋とはその名の通り、背中にある広く大きな筋肉です。

広背筋は体幹背部の筋(浅背筋)に分類されますが、上肢運動(腕)にも関わります。

広背筋は大きく分けて、4つの起始部を持っています

それらは肩甲骨の下角外側部に向かって収束していき、上腕骨に停止します。

広背筋は主に肩関節の伸展と内旋に作用しますが、肩関節下垂位では筋全体が弛緩(筋肉が短い状態)しているため、その機能は低いとされています。

そのため、肩を挙げた肢位(広背筋が伸ばされた状態)からの伸展や内旋作用が強力です。

このように広背筋は肩関節の肢位によって作用が変化します。

他に、広背筋は肩関節90°外転位では内転・内旋に作用し、肩関節90°屈曲位では伸展・内旋に作用するといわれています。

これらは、体幹を固定し、上肢(腕)を動かした時の作用になりますが、

反対に上肢を固定した場合は、骨盤の引き上げ作用(push-up動作)が主体となります。

また上司を固定した場合は、肋骨に起始する線維が胸郭を引き上げ、息を吸う吸気筋として関与するといわれています。

 

 

広背筋の起始・停止・作用

起始:①下位6個の胸椎棘突起・腰仙椎棘突起

②腸骨稜

③下部肋骨

④肩甲骨下角

停止:上腕骨小結節稜

作用:肩関節の伸展・内旋・内転

肩甲骨の下制

体幹の伸展・側屈

胸郭引き下げ(吸気)

骨盤挙上

 

 

代表的なウエイトトレーニング

  • 懸垂
  • ラットプル
  • ローイング系  etc...

 

 

起始を理解し、トレーニングに活かす

前述したように、広背筋は大きな筋肉で様々な場所に起始します。

起始部を理解した上で、トレーニングに活かせないか考えてみましょう。

まず共通していることして、すべての起始から発生する広背筋は肩甲骨の下角に向かって収束するように走行し、上腕骨の小結節稜に停止することです。

これはすべての線維が肩関節と肩甲骨の運動に作用することがわかります。

当たり前のことですが、広背筋を鍛えるにあたって肩関節と肩甲骨の運動は無視できないということです。

それを踏まえるとやはり起始から考える必要があります。

大きく分けると、脊柱から起こる線維とそれ以外で考えます。つまり体幹の伸展や側屈作用を含めるかがカギになると考えられます。

より逆三角形を目指すにあたっては、骨盤から起始する筋繊維の肥大が必要なわけですから、肩関節の伸展に伴って体幹の側屈運動を伴わせてみる肩関節の伸展に伴って体幹の側屈運動を伴わせてみるのも面白いかもしれません。

両手でのラットプルやローイングでは側屈は難しいので、ワンハンドでのローイングがいいかもしれませんね。

肩関節の角度によっても作用が少し変化することを踏まえると、肩関節外転位から内転作用と共同させて行う方が、体幹の側屈に伴い収縮は得られやすいかもしれませんね。

 

 

広背筋の鍛えすぎはなで肩の原因に!?

広背筋の重要な作用として、肩甲骨の下制があります。

これがなで肩の原因になる恐れがあります。

肩甲骨の下制作用を考えれば、なで肩になる可能性は誰でも容易に考えられると思います。

なで肩はトレーニーにおいては致命的です。肩関節を痛める因子になりやすいとされています。

よくトレーニング肢位で肩甲骨を下制させましょうという記事をよくみますが、筋肉に対しては効果的でも関節には悪影響かもしれません。

筋肥大と並行して体のコンディションを維持するためにも、ケアが大切になります。

 

 

広背筋の硬さの評価とケア

ここでは、使いすぎている広背筋を硬いと表現することとします。

広背筋の硬さをチェックする簡単な方法を紹介します。

平らな壁にもたれたかかり、背骨を壁にくっつけます。(この時足は少し前に出しておきます)

その状態から両手で万歳してください。

その時、腰と壁の間に手のひらがすっぽり入る程度隙間が空いている人は、広背筋の硬さがあるかもしれません。

肩関節の屈曲により引き伸ばされた広背筋は、硬いと腰椎を前湾させます。

こういった方は、その姿勢で腰椎が前弯しないように(反らないように)、お腹に力を入れながら万歳してください。

短縮(筋肉が短くなっている)がある場合もあるので、腰が壁から離れてきたらその手前までで結構です。

しっかりと呼吸をしながら数回繰り返しましょう。

広背筋のストレッチにもなるのでオススメです。

 

 

まとめ

逆三角形や背中の広がりに大切な広背筋についてまとめてみました。

浅層の筋肉(アウター)は肥大するとかっこいいですが、その分しっかりコントロールできないと怪我に繋がる原因となりやすいです。

鍛えた後は、しっかりとケアしてあげましょう。

「筋トレ始めて怪我しました。」という方が増えないように祈っています。

 

 

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